色とは?
すべての色は、RGB(Red;赤、Green:緑、Blue:青)の三色(色の三原色という)をうまく重ね合わせることによって表現することができます。
テレビもRGBで表現されていることをご存知の方もいらっしゃると思います。
人間は色をどのように感じているの?
人間は、眼球の内張りに存在する網膜(カメラでいうフィルム)に存在する視細胞の中に、錐体細胞という色を感じる取る細胞があります。この錐体細胞には、以下の3種類の細胞が存在します。
- ① 赤色を感じる赤錐体
- ② 緑色を感じる緑錐体
- ③ 青色を感じる青錐体
これらの錐体細胞が、それぞれ協調し合うことで様々な色を感じることができます。
色覚異常とは
色覚異常とは、特定の色に対する識別能が低下するため、色の判別が困難になる状態を言います。
間違えやすい色の組み合わせ
赤・緑
オレンジ・黄緑
ピンク・灰色・白
ピンク・水色
青・紫
緑・灰色・黒
茶・緑
赤・黒
色覚異常には、先天性(遺伝によるもの)と後天性(病気や加齢によるもの)があります。ここでは、学校生活や就職時になどで、意識して欲しい先天性色覚異常について説明します。
先天性色覚異常の原因
先天性色覚異常は、染色体異常の遺伝によって、色を感じる錐体細胞が部分的もしくは全体に機能障害が生じる疾患です。どの種類の錐体が障害されるかによって、見え方が異なってきます。
頻度と分類
- 頻度:
- 日本人では、男性の5%(約20人に1人)
女性の0.2%(500人に1人) と言われています。
- 分類:
- 一般に色覚異常というと、頻度の多さから先天性赤緑色覚異常のことを指します。実際には低頻度のものを含めるといろいろな種類の色覚異常が存在します。大きく分類すると、1色覚、2色覚、異常3色覚の3種類に分類されます。
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- ① 1色覚:
- 3つの錐体のうち1つが正常(残り2つが異常)もしくは、3つ全てが異常。
発生頻度は低く、多くは重度の視力障害を伴う。昔でいう全盲にあたる。
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- ② 2色覚:
- 3つ錐体のうち2つが正常、残り1つが異常。
昔でいう色盲にあたる。- 1型2色覚:赤錐体の欠如。
- 2型2色覚:緑錐体の欠如。
- 3型2色覚:青錐体の欠如。頻度は、非常に少ない。
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- ③ 異常3色覚:
- 1つの錐体の部分的機能不全。
昔でいう色弱にあたる。- 1型3色覚:赤錐体の部分的機能不全
- 2型3色覚:緑錐体の部分的機能不全
- 3型3色覚:青錐体の部分的機能不全
※分類の詳細をお知りになりたい方は、最後に記載していますので、ご確認ください。
認識の現状
本人が自覚しているのは、50.2%であり、約半数が認識していないとされています。また、親も半分以上は、我が子の色覚異常に気付いていないことが分かっています。
どんな時に間違えやすいの?
- 対象物が小さいとき
- 暗いとき
- 急いでいるとき
- 疲れているとき
色覚異常と職業
一部の職業では色覚異常による制限があります。
鉄道運転手や航海士、航空機パイロット、航空・鉄道関係の整備士、警察官などの一部の職業では制限があります。色識別能力が必要とされる職業に関しては、是非事前に確認しておく必要があります。
治療法
先天性に対しては有効な治療法はありませんが、学ぶことにより色識別能力はある程度向上します。
まずは、現状がどの状態であるのか、正しい診断が必要です。
その上でどんな状況で、その配色が混合しやすいのかを把握することで、色覚誤認によるトラブルを回避で
色覚異常は、遺伝疾患ですが、本人が悪いのでも親が悪いのでもありません。
不安にならない方はもちろん一人もいないと思います。そんな中でも、大切なことは、『今何ができるのか』、『今後どのような心構えを持てばいいのか』を考えることであると思っています。
はるやま眼科では、診断だけでなく、考え方について、患者さんに寄り添って考えていきたいと思っています。また、大学病院などの色覚を専門とする眼科医に紹介することによって、より正確な診断とカウンセリングが受けられるよう、はるやま眼科は責任をもって紹介しております。気になっている方や疑いとされて不安に感じている方は、是非ご相談ください。