院長コラム 『野村克也さんの本を読んだ』
野村克也さんの本を読んだ。
元楽天イーグルの監督、ニューヨークヤンキースのマー君の育ての親と書けば、最近の若い方でもお分かりだろうか。
日本野球界で選手としては名選手、監督としては名監督と言われた数少ない野球選手である。とりわけ野村語録と言われる程、言葉を持っていた人という印象があります。
先日、『野村克也 金言集』という本がとても気になって、初めて野村克也さんの本を購入して読んでみました。
論語が好きと聞いたことがあったのですが、それは野球の試合終了後のインタビューでの語りに現れていて、含蓄のある話をよくしていたので、今回の本もとても楽しみでした。
野村克也さんは、ヤクルト監督時代にデータ野球で当時弱小チームであったヤクルトスワローズを優勝に導いたことで一躍有名となり、みなさんも記憶していると思います。簡単に言うと野球にデータ分析を持ち込んだ先駆者でもあります。
でもデータなんてどこの球団でも集めているんです。では、何が違うのか。それはデータを集めながら、データに現れないちょっとしたことを見逃さなない観察眼にあったのではないかと思います。
観察眼をもってしてデータから編み出される戦略を臨機応変に微調整していたのだと思います。
本の中にはこんな一節があります。原文そのまま引用します。
人間の最大の罪は、鈍感である。
「盗塁やヒットエンドランのサインが出ると、ほとんどの選手は塁上での動きに変化が現れる、それを見抜くのだ」(野村)。もちろんすぐさまわかるものではない。「ユニフォームを触る回数が増える」とか、「唇が少しゆがむ」とか、本当に些細な変化である。しかし、それを見抜ける注意力が、ひいてはゲームを制していった。
きっと細部まできめ細やかな配慮のできる人、人の気持ちになれる人でもあったのではないかと思いました。相手の気持ちになれるから、行動が読めたんだと思います。
これを読んでから僕も外来診療に応用してみようと思い、実行しています。それは、診察を終了した直後の一瞬の患者さんの表情をよく観察することです。
診察に納得された方は満足そうな表情ですし、まだ話し足りない、もっと質問がしたい、まだ理解納得していない方は微かにそんな表情を一瞬見せることに気づきました。
最後の一瞬をよく観察すると全てが現れているように感じてきました。
そこを感じることが出来るようになってから、最後に修正して何か問題がないか、間をとって一瞬考えをめぐらせるようにしています。
それから、自分の外来診察が少し良い方向に変わってきたように感じています。今後もちょっとした目の動きや表情の変化で感じることができるよう、努力していきたいと思っています。まだまだ成長できる、そんな気持ちになっています。これからのはるやま眼科の成長を是非ご期待ください。
『うれしい、楽しい、大好き、きっと上手くいく、ついてる』良い言葉を使って、自分も周りの人も幸せにしちゃいましょう。
今日も一日いい日になりますように。