色覚検査と色覚異常
色覚検査と色覚異常
色覚検査は、H15年より学校検診の必須項目から削除されていましたが、H28年の今年から学校検診に復活することになりました。そのため、最近学校検診で色覚異常疑いを指摘され、眼科を受診される患者さんが徐々に増えてきています。
色覚検査復活の背景には、児童生徒等が自身の色覚の特徴を知らないまま進学や就職等で不利益を受けることが不安視されるようになったため、色覚検査の重要性が見直されたことにあります。
色覚異常は、男性の5%(約20人に1人)女性の0.2%(約500人に1人)に存在すると言われています。しかし、色覚異常を持つ児童生徒本人の約半数は色覚異常があっても自覚がなく、また半数以上の親も我が子の色覚異常に気付いていないことが、調査で分かっています。
人間の目には、網膜というカメラのフィルムに相当する部位がありますが、その網膜には色を感じる錐体細胞が存在します。
その錐体細胞には赤色を認識するもの、緑色を認識するもの、青色を認識するもの3種類が存在します。
色は、赤、緑、青の色の三原色の配合によって表現されていますので、全ての錐体細胞が協調し合って色を感じているわけです。
3種類(3色)の錐体細胞のうちの1つが異常になるタイプや、部分的機能不全が生じたりするタイプが多く、どの色の錐体細胞が異常になるかによって色の見え方が異なってきます。例えば、赤色錐体細胞に異常があると赤色だけでなく、赤色を配合してできるピンクや紫なども認識できないことになるのです。
色覚異常は、環境と学習により色識別能力はある程度向上すると言われています。それにはまずは自分の見え方の特徴を知る事が大切です。中には疑いで来られて正常範囲内の方もいます。学校検診で色覚異常疑いや日常生活で気になっている方は、是非一度眼科を受診してみてください。
今日も笑顔でいい1日になりますように????。