院長コラム『カットサロンで、洗髪が上手い人の考え方』 2022.7.18
院長コラム『カットサロンで洗髪が上手い人の考え方』
自分でなんとなく思ってはいても、それを言葉にするのってとても難しい事だと思っています。先日、友人がある講演を聞き、話してくれた話がとても腑に落ちて、これだと思ったので、コラムに書きます。
希望を持ってある仕事についたとします。どんな仕事も最初は基本の基本もしくは、雑用係の様なことをやることがほとんどだと思います。自分が仕事についた時もそうでしたが、そんな仕事が永遠に続くのではないかと思うくらい続きます。
お寿司屋さんなら、お寿司を握るまで何年かかるのでしょうか。また、カットサロンなら、カットの前の洗髪を何年もやるのではないでしょうか。
そんな時に、『自分はこんなことをやるために、この仕事場を選んだんじゃない。こんなはずじゃなかった』と、一度は思うのではないでしょうか。それで仕事を辞めていく人もいます。
しかし、そうやって自分にとってベストな道を見つけ続けていると、実は自分の希望通りのところなど、殆どないのが現実です。また、見つかったとしても見つけるまでにはとても時間を費やしてしまいます。結局自分のスキルはほとんど上がらずに時間だけが経過してしまいます。
一方、理想通りではなくても、与えられた環境に淡々と不平不満も言わずに、基本的なことや雑用など、与えられた目の前の仕事を工夫をしながら楽しんでやっている人もいます。
『ベストの道を探したいと思うのではなく、その道をベストにする』
思ったものとは違ったかもしれないけど、与えられた環境の中で、その道でベストを尽くし、ベストな道を探すのではなく、その道をベストにする。基本的な事や雑用も磨き続けることで、光り輝くレベルまで昇華すると、どんな仕事でも楽しくなるんだと思います。
この話を聞いて、僕が直ぐに思いついたのが、カットサロンの洗髪です。
カットに行くと、まず最初に行う洗髪は、たいてい見習いの若手スタッフの仕事だったりします。何人かの若手が行く度に交代で洗髪をしてくれます。その中の1人がめちゃくちゃ洗髪が上手なんです。
洗髪時の指の圧のかけ方、サロンにかかっている曲にまるで合わせたかの様なリズミカルな洗い方、髪を洗い流した時の最後の水の切り方など、とても気持ちがいいんです。あまりにも上手いので、最後に聞いてみたんです。
『洗髪がとっても上手ですね。洗髪が好きなんですか?』って。そしたら、『よく言われるんです。洗髪するのも大好きです』と。やっぱりでした。
結局その方にカットをお願いする機会はありませんでしたが、間違えなくカットも上手いはずだと思いました。
『その道をベストにする』。
そんな姿勢は上司はきっと見ていて感じているんだと思います。きっとカットをさせても同じ様に工夫して上達していくんじゃないだろうかと。その結果、次へのステップが与えられるんだと思います。
『ベストな選択を選ぶのではなく、その道をベストにする』。カットサロンで洗髪の上手い人は、きっとこう思って日々努力されていたのではないかと、想像しています。
『うれしい、楽しい、大好き、きっと上手くいく、ついてる』良い言葉を使って、自分も周りの人も幸せにしちゃいましょう。
今日も一日いい日になりますように。