院長コラム 『言葉少なく、インパクト』
『言葉少なく、インパクト』
今日、製薬会社の方からクスリの説明を受けました。とても説明が上手い方で、クスリの特徴として『効果が強くて、効き目が速い』を『強くて、速い』と表現されていました。
これは、凄いコピーだなあと感心しました。言葉少なく、インパクトがあり、イメージが頭に残ります。その薬を見ると今後はきっと『強くて速い』が頭に浮かぶんだろうなあと思いました。
外来での説明も、こうあるべきだと思いました。外来に来られた患者さんが、緊張して診察室に入り、頭に刻み込める話のサイズはきっと限られていると思います。そして、患者さんが本当に理解して、家まで持って帰れる内容はさらに限られていると思っています。
僕が学んだ知識を全て話し自信満々で話し終えた時に限って、患者さんは何とも言い難いお顔をされています。分かったような分からないような、そんなお顔です。こんな時、こんな説明は、僕の自己満足でしかないのかなあと感じます。
膨大なサイズの説明は、結局患者さんの消化不良を生じ、結局頭に残らないのです。ご自宅に帰って家族に聞かれても説明できない、なんだか結局分からないになってしまいます。これでは、全く意味がないと感じます。
よく、ものの本には、『9聞いて、1話す』のが理想だと書いてあります。これは診療にも当てはまると思っています。
『言葉少なく、インパクト』。
患者さんが、ご自宅に帰って家族に聞かれても答えられる位のサイズで、インパクトに残る説明を心がける。それが、患者さんの本当に分かった、理解できたに繋がるのかもしれません。
これは、医師としての患者さんへの『思いやり』なのかなあと思う、今日このごろでした。
『うれしい、楽しい、大好き、きっと上手くいく、ついてる』良い言葉を使って、自分も周りの人も幸せにしちゃいましょう。
今日も一日いい日になりますように。